エナジックグループ 大城博成 会長挨拶

世界へ翔くゴルファーに!

CEO Hironari Ohshiro

2012年4月にエナジック・ゴルフアカデミーを開校した際、わたしは「世界へ翔くゴルファーの育成」を目標に掲げました。沖縄という、まことに小さな島で生まれ育った子どもたちを、いったいどのように「世界へ翔く」ゴルファーに育てるか 何という大風呂敷を、と思った方もおられるかもしれません。しかしわたしには確信がありました。それは、わたしにが会長を務めるエナジックインターナショナルのメイン事業である電解水生成器(レベラックシリーズ)のグローバル戦略を通じて得た確信です。この事業を初めて海外展開したのは2003年で、舞台は世界最大のマーケット・アメリカでした。そのころ実は、国内事業は絶好調で、レベラックシリーズの販売台数も毎月のように記録を更新していました。

そういう時期にさまざまな困難が予想される海外展開を志向するとは、何と無謀な、との反対論・慎重論が陰に陽に聞こえてきました。しかしわたしは決断しました。 「国内だけではいずれ行き詰まる。将来を見据えたグローバルな展開を!」と。それから10年余を経て、いまや19ヶ国に現地法人や支店など26拠点を構え、約120カ国にレベラックシリーズを輸出し、全売上高の90パーセント以上が海外部門で占めています。エナジックは沖縄生まれのローカル企業から、いまや世界で勝負をするグローバル企業に変身したわけです。

世界へのステップとしてのアメリカ研修

ゴルフも同様でしょう。日本国内の”ゴルフ市場”は年々縮小しています。一方、経済発展の著しい新興国ではゴルフ熱が高まり、とうとうゴルフがオリンピックの正式種目になるなど、世界的に普及が進んでいます。そんな中でも世界最大のゴルフ市場は、やはりアメリカです。 ゴルフ人口、大会人口、大会数、賞金額、選手層、社会的知名度・注目度など、 あらゆる指標からみて、アメリカこそ、ゴルフ界における最高最大の存在です。そこでわたしは、「世界に翔くゴルファー」の育成をめざす大切なステップとして、アメリカでのゴルフ研修を構想しました。

当初、この計画の実現性に半信半疑の方もおられたようです。「そんな事が可能なのか」と。わたしはいろいろな機会を捉えて、「なるべく若い時期に世界を肌で感じることが大切」と、繰り返してお伝えしました。そして大方の賛同を得たうえ、生徒と父母、ゴルフアカデミーのコーチ・スタッフ、当社の国内外の社員が一致協力して周到な準備をおこない、 2014年8月より「アメリカ・ゴルフ研修旅行」が実現したのです。その研修期間中のいろいろなできごと、楽しかったこと、困ったこと、うれしかったこと、発見したこと等々は、父母やコーチ、スタッフ、そして何より生徒自身が語っております。

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子どもたちが感じた「英語の壁」と「感謝の念」

わたし自身は、カルフォルニア州のTustin Ranch Golf Course でおこなわれた「Ping Summer Championship Series」 という大会の2日目(最終日)を観戦しました。日米ジュニアが年齢・性別で5つのカテゴリーに分かれてプレーしましたが、15歳 – 8歳女子の部で1~3位を独占するなど、エナジック・ゴルフアカデミーの生徒たちのレベルの高さが示され、たいへん誇らしい気持ちになりました。ゴルフ場に限らず、レストランでの食事やカリフォルニア州内の自宅に招いて催した食事会の場などで、わたしは生徒の話を聞く機会が多々ありました。そこで聞いた感想の中から、強く印象に残ったのが「英語が通じなくて困った」という感想。アメリカに来て同世代の若きアメリカ人とコースを回るせっかくの機会ですが、コミニュケーションを取ることに苦労したようです。そこで「もっと英語を勉強したい」との声を多く聞きました。ゴルフの技術を磨くことももちろん大切ですが、「世界に翔くゴルファー」をめざすには、やはり言葉の壁を乗り越える必要があります。 アメリカでその必要性を認識した、ということはとても貴重な経験です。

エナジック・ゴルフアカデミーでも「英会話」のカリキュラムを組んでいますが、生徒の勉強の意欲は今後、更に高まることでしょう。もう一つ、感じは入ったこと、それは生徒たちが口々に「感謝の念」を表していたことです。アメリカに来る前の準備段階から、現地での受け入れ、サポート、ゴルフの練習・大会の参加、食事の面倒、ホテルの確保、そしてディズニーランド観光まで、 実にいろいろな人たちの協力があって初めて実現しました。このことに多くの子どもたちが気づきました。 あるいは再認識しました。

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わたしは素晴らしいことだと思います。 「人に感謝する心」を子どもたちに限らないかもしれませんが、忘れがちと言われるこの頃です。子どもたちが研修旅行の実現に尽力した人たち、とりわけこのような環境で学ぶ機会を与えてくれたご両親に感謝の念を持ったと思えることは本当に嬉しい事でした。わずか1週間の研修でしたが、子どもたちはゴルフだけでなく、人間としても成長したと確信しています。かつて貧しさからの脱出をめざし、移民として沖縄人は大海原を渡りました。いま、子どもたちは世界に翔く夢を追って海を渡ります。エナジックゴルフアカデミーはゴルフを通じて子どもたちの夢の実現に一歩でも近づけるよう全力を尽くします。

名護市、豊見城市に続いて、具志川市にもゴルフアカデミーを開校しました。エナジックゴルフアカデミーに携わるすべての方々への心からの御礼を申し上げるとともに、変わらずご支援、ご協力をお願いしまして結びとします。

エナジックグループ 会長 大城博成